北陸は石川県金沢市から書いています。

3月14日、北陸新幹線開業でにぎわう金沢駅に行ってきました。加賀友禅の文化にちなんで、着物を着た女性がお出迎えしてくれました。金沢を中心に石川県は盛り上がりを見せています。これからは各地から、今よりもずっと沢山の旅行者や観光客が北陸に訪れるようになることでしょう。

 

ところで皆さん北陸地方が日本でも有数の繊維の産地であることをご存知でしょうか?

 

②細幅織物工場

ポリエステル、ナイロンを中心とした衣料用の合繊繊維の約7割が石川、福井、富山県で作られているのです。その他にも絹織物や縦編みニット生地、細幅織物なども国内で高いシェアを誇ります。そして有名メーカーのダウンジャケットにも使われた高密度薄地織物は北陸産地特有な技術・ノウハウが集結してできた素材とされ、世界でも北陸でしか生産できないものとされています。

 

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最先端の技術を持つ企業のものづくりばかりではなく、北陸には100年以上の歴史のある製造技術や技法を用いて作られる伝統工芸品も数多く存在しているのも特徴です。県内総生産額に占める伝統工芸品の生産額も他県と比べて、全国でも上位に北陸三県は位置しています。昔ながらのものづくりの文化がしっかりと継承され続けている地域でもあるのです。

 

④東京
現在、私はそのような北陸各地の生産現場に出向き、繊維業界を中心に取材活動を行っていますが、以前は東京のアパレルメーカーで企画の仕事をしていました。その時は、仕事柄1日の大半を社内で過ごし、デスクワークが中心でした。まだ若手だったということもありますが、工場さんとのやり取りも電話やメールばかりでした。

ものづくりの現場も知らないまま、気がつくと製品サンプルが上がり、店頭に商品として並んでいきます。そんな日々を過ごす中で、なんとも言えないもどかしさがどんどん大きくなっていきました。

思いきって3年間勤めた会社を退職して、金沢に移住を決めました。

改めて服づくりを原点を見て学び直したいという気持ちが強かったからです。アパレル業界の川上に携わる人たちの声を直接生で聞いてみたかったのです。そしてこれからの時代のものづくりについて生産者と共に考え、伝えていきたかったのです。

東京を拠点に活動を行うこともできたのですが、実際に現地に出向き、その土地の文化や伝統に触れながら生活をすることで、電話やメールのやり取りでは知ることのできない現場の空気感を伝えることができると思っています。

移住から約半年が経ち、繊維業界を中心に取材を続ける中で、様々な繊維素材を拝見させて頂く機会がありました。そしてそれは初めて目にするものばかりでした。各々の工場が独自の技術や技法を用いて製造した繊維素材はとても興味深いものばかりです。

 

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これから、サイトを通して工場や工房のものづくりの魅力をご紹介していこうと思います。

北陸にはまだまだ、私の知らないものづくりがあります。 そしてそこには現地に出向かなければ、知ることのできない生産背景があります。現場の数だけストーリーがあり、そこで働く人たちによって生み出されるモノがあります。

私にとって産地を巡ることは宝探しをしているような感覚です。

最近では工場の方と一緒にご飯を食べたり、お酒を飲んだりする機会も増えました。取材訪問の際の緊張もその場では緩み、地域の昔話や家族の話といったラフでプライベートな話もガッツリ北陸の方言で聞かせてもらえます。

そんな人との出会いや繋がりは産地で見つけた宝ものです。

最後になりますが、北陸新幹線が開業し、以前よりもずっと訪れやすくなった北陸地方に一度いらしてみてはいかがでしょうか。北陸産地ツアーもセコリ百景内で計画していますので、詳細が決まりましたら、またブログでご紹介させていただきます。

きっと皆さんが今までに目にしたことのない景色と魅力が待っているはずです。そしてそんな皆さんとお会いできるのを私は楽しみにしています!是非とも一緒に宝探しに出かけましょう!

(下山和希)


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下山
下山 和希

東京の某アパレル会社でデザイナーを経て、2015年9月に金沢に移住。
北陸産地の工場や工房の訪問取材をしながら、金沢セコリ荘のディレクターを務める。金沢文化服装学院で教鞭も執る。