西日本エリアを取材でお伺いした帰り道。
眠たい目をこすりながら宮浦、那木、大滝の三人は東海道を東へと進みます。

その日はいくつかの工場によらせてもらおうかなんて話をしていましたが、良く良く考えてみれば日曜日。

日曜日に空いている工場なんてなかなかありません。

せっかくセコリ号なのに・・・ものづくりの盛んな富士吉田に寄ろうか、面白い発見がありそうな箱根にしようか、なんて話を膨らませる車中、ふと窓の外を見渡すと・・・

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茶!
一面の茶!

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お茶の工場体験なんてどうですかね?

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あの中(お茶畑)に入りたい!

利害が一致しました。
ってことで今回はセコリ百景番外編、お茶摘みの体験レポートです。まずはセコリ百景として、お茶のルーツを少しだけ探りましょう。

静岡県の牧之原がどうしてお茶の産地になったのか

静岡のお茶のルーツは、13世紀ごろ、高僧が静岡市の足久保に種をまいたことから始まったと伝えられているそうです。

慶応3年(1867年)に徳川慶喜が大政奉還により駿河(今の静岡市)に隠居。
その際に、将軍の身辺警護に同行した家臣がその任を解かれ、職を失ってしまいます。

そこで明治2年(1869年)に勝海舟のすすめで、約300名の士族が新しい仕事の場として、荒れ地だった牧之原台地(静岡県)での茶畑の開墾を決断したそうです。

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「武士から農民に」という当時の一大決心であったそう。

当時の牧之原台地は、荒廃地であった事と水が不足していた事で、開拓は苦労の連続であったそうです。
現在の高台に一面に広がる美しい茶畑の姿からは想像できないですよね。
モノづくりの背景にはどこにでも先人の努力があります。
先駆者は偉大です。

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明治3年(1870年)には、箱根と並び東海道の難所と言われる大井川に橋がかかることになり、川越の役割を担っていた約1300人の川越人足も職を失ってしまします。

開拓の世話人の尽力により、この川越人足も牧之原へと入植したそうです。

士族と川越人足の茶園造園に刺激されて明治10年台にはお茶を主作とする茶業農家が多く出現。

そののち「生糸」「お茶」が日本の輸出品の主力になるにつれ牧之原の茶園は拡大したそうです。

現在、静岡県のお茶の生産量の25%程度はこの牧之原エリアで作られています。

宮浦晋哉のお茶摘み体験

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こんな背景を知ると、俄然面白味が増してきそうなお茶摘み体験!

3人を代表して宮浦さんが作業着に着替え、しっかり摘み方の説明を受けて望みます。

5月の末日に伺いましたが、ちょうど一番茶である新茶の収穫が終わったばかりの時期で、二番茶の収穫までのお休み期間。
お茶があまり摘めない時期でした!

ちなみに一番茶は4月から5月にかけて取れるそうです。

電撃訪問なのでこのタイミングの悪さは仕方ないですね・・・
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それでも気を取り直し、工場の目の前にどーんと広がる雄大なお茶畑へとむかいます!

ちなみに現在では、ほとんどの農家さんが機械でお茶っ葉を収穫するそうですが、この一番茶だけは機械では傷ついてしまう可能性もあり、手摘みをするところもあるそうです。
貴重なんですね~。

他の体験参加者の皆さんも真剣な表情でお茶摘みに臨んでいました。

_MG_7884[茶葉との会話を楽しんでいるのでしょうか]

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ところで宮浦さん、本当にきちんと茶葉選んで採ってます?

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・・・・・・。カサカサ(葉をかき分ける音)

どうやら宮浦さんは集中しているようです。

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この毎年手摘みした分が、世には高級茶として出荷されるそうです。

お茶として適しているのは新芽です。
育ちすぎた葉は硬くなり、苦味も出てしまい、お茶には適しません。

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新芽は柔らかいため、虫もつきやすいそうです。
野菜同様に茶葉も害虫との戦いが勃発しているのでしょうね・・・。

 

毎年新芽を摘みとっていく中で、数年に一度、お茶の樹を休ませるために台刈り(だいがり)という作業を行います。

これにより、次の年に元気よく新芽が出るのだそう。

先のことを考えながら、てまひまかけてお茶っ葉が育てられていきます。

_MG_7900[台刈り後の茶畑。来年に向けてお茶の樹はお休み中です。]

植物も野菜も可愛がり、気にかけた分だけ美味しくなるなんてよく言います。

普段僕たちが何気なく飲んでいるお茶ですが、モノづくり同様に多くの人の手が掛かっていることを実感です。

この日は宮浦さんが30分程度、それっぽい素振りで茶摘みをしましたが、成果はこれぐらい。

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宮浦さんが大した事ないのか、新芽が少なかったのか・・・とにかく手摘み、大変です。

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はじめてのお茶摘み体験どうでしたか?

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僕はこれしか採れなかったですが、このカゴいっぱいのお茶っぱを持って帰って良いそうです。たったの820円で体験もできてお土産にもなるし、満足感でいっぱいです。さっき教わりましたが、葉っぱは飲用にも、揚げて食べることもできるそうです!

 

おっ大満足のようです。僕もやりたかった。

摘んだ葉はこの後、いくつもの工程を経なければ僕たち一般消費者の元には届きません。
日本人には馴染みの深いお茶ですが、ふと考えるとその生産背景はあまり知りません。
ながーい工程ですので今回は割愛させて頂きます。

今回のセコリ百景は大人の社会科見学!とても楽しめました。

茶葉の生産背景に興味がある人は加工の機械設備等もこちらでは公開されていますので、ぜひ体験&見学してください!

_MG_7932[工場内の様子]

突然押しかけ、写真の撮影や取材のご協力を頂いたグリンピア牧之原様には感謝です。

いつも突然伺う形になってしまい、取材先の皆さんの寛大な心に救われているセコリ百景でした。

(大滝洋之)

施設情報

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グリンピア牧之原

http://grinpia.com/

Facebookページ

https://www.facebook.com/grinpia

〒421-0508 静岡県牧之原市西萩間1151
TEL:0548-27-2995 FAX.0548-27-2294
運営会社 株式会社 喜作園


作者情報(一覧を見る)
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大滝 洋之

Brightlogg,Inc.代表
歴史と伝統に敬意をはらい、ものづくりを現代の価値観で再解釈し、未来に繋げることを目指す。都内を中心に全国を巡りセコリ百景を運営する。http://www.brightlogg.com/